ひかり》で包《つゝ》まれた。其《そ》の遠《とほ》く連《つらな》つた山々《やま/\》の頂巓《いたゞき》にはぽつり/\と大小《だいせう》の簇雲《むらくも》が凝《こ》つた儘《まゝ》に掻《か》き亂《みだ》されて暫《しばら》く動《うご》かなかつた。遂《つひ》にはそれが一つに成《な》つて山々《やま/\》の所在《しよざい》を暗《くら》まして、其《そ》の末端《まつたん》が油煙《ゆえん》の如《ごと》く空《そら》に向《むか》つて消散《せうさん》しつゝあるやうに見《み》え始《はじ》めた。其處《そこ》には毎日《まいにち》必《かなら》ず喧※[#「囂」の「頁」に代えて「臣」、第4水準2−4−46]《けんがう》な跫音《あしおと》が人《ひと》の鼓膜《こまく》を騷《さわ》がしつゝある其《そ》の巨人《きよじん》の群集《ぐんじゆ》が、其《そ》の目《め》からは悲慘《みじめ》な地上《ちじやう》の凡《すべ》てを苛《いぢ》めて爪先《つまさき》に蹴飛《けと》ばさうとして、山々《やま/\》の彼方《かなた》から出立《しゆつたつ》したのだ。其《そ》の驚《おどろ》くべき迅速《じんそく》な脚《あし》が空間《くうかん》を一|直線《ちよくせん》に
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