》の遠《とほ》い西山《せいざん》の氷雪《ひようせつ》を含《ふく》んで微細《びさい》に地上《ちじやう》を掩《おほ》うて撒布《さんぷ》したかと思《おも》ふやうに霜《しも》が白《しろ》く凝《こ》つて居《ゐ》た。
 勘次《かんじ》は平生《いつも》の如《ごと》くおつぎを連《つ》れて開墾地《かいこんち》へ出《で》た。おつぎは半纏《はんてん》を後《うしろ》へふはりと掛《か》けた儘《まゝ》手《て》も通《とほ》さないで、肩《かた》へは襷《たすき》を斜《なゝめ》に掛《か》けて萬能《まんのう》を擔《かつ》いで居《ゐ》た。白《しろ》い手拭《てぬぐひ》とそれから手拭《てぬぐひ》の外《そと》に少《すこ》し覗《のぞ》いた後《おく》れ毛《げ》の歩《ある》く度《たび》にふら/\と動《うご》くのもしみ/″\と冷《つめ》た相《さう》であつた。草木《さうもく》及《およ》び地上《ちじやう》の霜《しも》に瞬《まばた》きしながら横《よこ》にさうして斜《なゝめ》に射《さ》し掛《か》ける日《ひ》に遠《とほ》い西《にし》の山々《やま/\》の雪《ゆき》が一頻《ひとしきり》光《ひか》つた。凡《すべ》てを通《つう》じて褐色《かつしよく》の光《
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