しよとう》の梢《こずゑ》に慌《あわたゞ》しく渡《わた》つてそれから暫《しばら》く騷《さわ》いだ儘《まゝ》其《そ》の後《のち》は礑《はた》と忘《わす》れて居《ゐ》て稀《まれ》に思《おも》ひ出《だ》したやうに枯木《かれき》の枝《えだ》を泣《な》かせた西風《にしかぜ》が、雜木林《ざふきばやし》の梢《こずゑ》に白《しろ》く連《つらな》つて居《ゐ》る西《にし》の遠《とほ》い山々《やま/\》の彼方《かなた》に横臥《ね》て居《ゐ》たのが俄《にはか》に自分《じぶん》の威力《ゐりよく》を逞《たくま》しくすべき冬《ふゆ》の季節《きせつ》が自分《じぶん》を棄《す》てゝ去《さ》つたのに氣《き》がついて、吹《ふ》くだけ吹《ふ》かねば止《や》められない其《そ》の特性《とくせい》を發揮《はつき》して毎日《まいにち》其《そ》の特有《もちまへ》な力《ちから》が輕鬆《けいしよう》な土《つち》を空《そら》に捲《ま》いた。
其《そ》の日《ひ》も拂曉《あけがた》から空《そら》が餘《あま》りにからりとして鈍《にぶ》い軟《やはら》かな光《ひかり》を有《も》たなかつた。毎日《まいにち》吹《ふ》き捲《ま》くる疾風《しつぷう》が其《そ
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