《まか》せた草《くさ》が刈拂《かりはら》はれて見《み》るから清潔《せいけつ》に成《な》つた。中央《ちうあう》に青竹《あをだけ》の線香立《せんかうたて》が杙《くひ》のやうに立《た》てられて、石碑《せきひ》の前《まへ》には一《ひと》つづゝ青竹《あをだけ》の簀《す》の子《こ》のやうな小《ちひ》さな棚《たな》が作《つく》られた。卯平《うへい》も墓薙《はかなぎ》の群《むれ》に加《くは》はつた。彼《かれ》のまだ力《ちから》ない手《て》に持《も》つた鎌《かま》の刄先《はさき》が女房《にようばう》の棺臺《くわんだい》の下《した》を覗《のぞ》いてからりと渡《わた》つた時《とき》彼《かれ》は悚然《ぞつ》として手《て》を引《ひ》いた。蛇《へび》が身體《からだ》の後半《こうはん》を彼《かれ》の足《あし》もとに現《あらは》して白《しろ》い腹《はら》を見《み》せた。鎌《かま》の刄先《はさき》が蛇《へび》を切《き》つたのである。蛇《へび》は暫《しばら》く凝然《ぢつ》として居《ゐ》て極《きは》めて徐《おもむ》ろに棺臺《くわんだい》の下《した》に隱《かく》れた。卯平《うへい》の顏《かほ》は黄昏《たそがれ》の光《ひかり》
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