母《はゝ》の何物《なにもの》をか求《もと》めるやうな態度《たいど》が漸《やうや》く二人《ふたり》を近《ちか》づけた。
其《そ》の頃《ころ》彼《かれ》の女房《にようばう》は長《なが》い間《あひだ》病氣《びやうき》に惱《なや》まされて居《ゐ》た。病氣《びやうき》は遂《つひ》に恢復《くわいふく》しなかつた。女房《にようばう》は或《ある》年《とし》復《ま》た姙娠《にんしん》して臨月《りんげつ》が近《ちか》くなつたら、どうしたものか數日《すうじつ》の中《うち》に腹部《ふくぶ》が膨脹《ばうちやう》して一|夜《や》の内《うち》にもそれがずん/\と目《め》に見《み》える。女房《にようばう》は横臥《わうぐわ》することも其《そ》の苦痛《くつう》に堪《た》へないで、積《つ》んだ蒲團《ふとん》に倚《よ》り掛《かゝ》つて僅《わづか》に切《せつ》ない呼吸《いき》をついて居《ゐ》た。胎兒《たいじ》を泛《う》かしめた水《みづ》が餘計《よけい》に溜《たま》つたのである。其《そ》の頃《ころ》は醫者《いしや》の手《て》でさへそれをどうすることも出來《でき》なかつた。加之《それのみでなく》彼《かれ》は醫者《いしや》を聘《よ
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