うこう》して獲《え》た給料《きふれう》を自分《じぶん》の身《み》に費《つひや》して其《そ》の頃《ころ》では餘所目《よそめ》には疑《うたが》はれる年頃《としごろ》の卅|近《ぢか》くまで獨身《どくしん》の生活《せいくわつ》を繼續《けいぞく》した。其《その》間《あひだ》に彼《かれ》は黴毒《ばいどく》を病《や》んだ。一|時《じ》はぶら/\と懶相《だるさう》な蒼《あを》い顏《かほ》もして居《ゐ》たが、病氣《びやうき》は暫《しばら》くして忘《わす》れたやうに其《そ》の強健《きやうけん》な身體《からだ》の何處《どこ》にか潜伏《せんぷく》して畢《しま》つた。彼《かれ》は勿論《もちろん》それを癒《なほ》つたことゝ思《おも》つて居《ゐ》た。其《そ》の内《うち》に彼《かれ》は娶《よめ》をとつて小《ちひ》さな世帶《しよたい》を持《も》つて稼《かせ》ぐことになつた。娶《よめ》は間《ま》もなく懷姙《くわいにん》したが胎兒《たいじ》は死《し》んでさうして腐敗《ふはい》して出《で》た。自分《じぶん》も他人《ひと》も瘡《かさ》ツ子《こ》だといつた。二三|人《にん》生《うま》れたがどれも發育《はついく》しなかつた。それで
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