ゝ》んで馬《うま》の荷鞍《にぐら》に括《くゝ》つた。其《その》頃《ころ》は草《くさ》というては悉皆《みんな》薙倒《なぎたふ》して麁朶《そだ》でも縛《しば》るやうに中央《ちうあう》を束《つか》ねて馬《うま》に積《つ》むのであつた。雜木林《ざふきばやし》の間《あひだ》に馬《うま》を繋《つな》いだ儘《まゝ》で彼《かれ》は衣物《きもの》を改《あらた》めてあてどもなくぶらつくのが好《す》きであつた。それでも彼《かれ》の強健《きやうけん》な鍛練《たんれん》された腕《うで》は定《さだ》められた一|人分《にんぶん》の仕事《しごと》を果《はた》すのは日《ひ》が稍《やゝ》傾《かたぶ》いてからでも強《あなが》ち難事《なんじ》ではないのであつた。此《こ》の二つの外《ほか》には別段《べつだん》此《こ》れというて數《かぞ》へる程《ほど》他人《たにん》の記憶《きおく》にも残《のこ》つて居《ゐ》なかつた。それでも彼《かれ》の大《おほ》きな躰躯《からだ》と性來《せいらい》の器用《きよう》とは主人《しゆじん》をして比較的《ひかくてき》餘計《よけい》な給料《きふれう》を惜《をし》ませなかつた。彼《かれ》は其《そ》の奉公《ほ
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