奪取《ふんだく》つてやれ」爺《ぢい》さんは周圍《あたり》へ唾《つば》を飛《と》ばした。
「それでも俺《お》れ打《ぶ》つ飛《と》ばしてから質《しち》の流《なが》れだなんち味噌《みそ》一|樽《たる》買《か》つたな、麩味噌《ふすまみそ》で佳味《うま》かねえが今《いま》ぢやそんでもお汁《つけ》は吸《す》へるこた吸《す》へんのよ」卯平《うへい》は自分《じぶん》の手柄《てがら》でも語《かた》るやうないひ方《かた》であつた。
「食料《くひもの》措《を》しがるなんち業《ごふ》つくばりもねえもんぢやねえか、本當《ほんたう》に罰《ばち》つたかりだから、俺《お》らだら生《い》かしちや置《お》かねえ、いや全《まつた》くだよ、親《おや》のげ食《か》あせんの惜《をし》いなんち野郎《やらう》は突《つ》つ刺《ぷ》したつて申《まを》し開《ひら》き立《た》つとも、俺《お》らだら立派《りつぱ》に立《た》てゝ見《み》せらな、卯平《うへい》確乎《しつかり》しろ、俺《お》らだら勘次等《かんじら》位《ぐれえ》なゝ又《また》うんち目《め》に逢《あ》あせらな、いや本當《ほんたう》に俺《お》れに掛《かゝ》つちや酷《ひで》えかんなこんで」
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