け》を傾《かたむ》けるのみであつた。
「そんだが娘《むすめ》も年頃《としごろ》來《き》てんのに遣《や》るとかとるとかしねえぢや可哀相《かあいさう》だよなあ」婆《ばあ》さん等《ら》の口《くち》はそれからそれと竭《つ》きなかつた。酒《さけ》に勢《いきほ》ひつけられた婆《ばあ》さん等《ら》は何《なに》かの穿鑿《せんさく》をせねば氣《き》が濟《す》まないのであつた。
「どうするこつたか自分《じぶん》の子供《こども》でもありやすめえし、俺《お》らがにや分《わか》んねえな」卯平《うへい》は何處《どこ》までも乾《からび》たいひやうである。
「そんだがよ、噺《はな》してやつとえゝんだな、出《だ》すと極《きま》りや幾《いく》らでも口《くち》は有《あ》らな」
「徒勞《むだ》だよおめえ、誰《だれ》がいふことだつて聽《き》く苦勞《くらう》はねえんだから」婆《ばあ》さん等《ら》は互《たがひ》に勝手《かつて》なことをがや/\と語《かた》り續《つゞ》けた。
「そんぢや隣《となり》の旦那《だんな》にでもようく噺《はな》してもらつたら聽《き》くかも知《し》んねえぞ、それより外《ほか》あねえぞおめえ」婆《ばあ》さんの一人
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