や》く茶碗《ちやわん》の底《そこ》を干《ほ》した。
「勘次《かんじ》も辛《つら》かつたんべが、俺《お》らも品《しな》に死《し》なつた時《とき》にや泣《ね》えたよ、あれこた三《みつ》つの時《とき》ツから育《そだ》ツたんだから」卯平《うへい》は又《また》情《なさけ》なげな舌《した》がもう硬《こは》ばつて畢《しま》つた。
「ほんにおめえもお品《しな》さんに死《なく》ならつたのが不運《くされ》だつけのさな、そんだがおめえ長命《ながいき》したゞけええんだよ」婆《ばあ》さん等《ら》は口々《くちぐち》に慰《なぐさ》めつゝいつた。
「手足《てあし》も利《き》かなくなつちやつて錢《ぜね》はとれずはあ、野田《のだ》で拵《こせ》えた單衣物《ひてえもの》もなくしつちやつたな、どうせ此《こ》れ、來年《らいねん》の夏《なつ》まで生《い》きてられつか何《ど》うだか分《わか》りやすめえし、管《かま》あねえな」卯平《うへい》は口《たゞ》獨《ひと》りで呟《つぶ》やくやうにぶすりといつた。彼《かれ》は殆《ほと》んど其《そ》の舌《した》が味《あぢ》を感《かん》ぜぬであらうと思《おも》ふやうに只《たゞ》茶碗《ちやわん》の酒《さ
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