でも嫌《きれ》えだから」小柄《こがら》な爺《ぢい》さんは直《すぐ》に呶鳴《どな》つた。
「俺《お》らはあ錢《ぜね》も有《あ》りもしねえで」卯平《うへい》は他人《ひと》の騷《さわ》ぎに釣《つ》り込《こ》まれようとするよりも、自分《じぶん》の心裏《しんり》の或《ある》物《もの》を漸《やつ》とのこと吐《は》き出《だ》さうとするやうに呟《つぶや》いた。
「又《また》さうだこつたから仕《し》やうねえ、勘次等《かんじら》懷工合《ふところぐえゝ》えゝつちんだから、要《え》らば何《なん》でも、汝《わ》れよこせつと斯《か》ういふんだ。管《かま》あねえから奪取《ふんだく》つてやれ、俺《お》らだらさうだ、いや本當《ほんたう》だとも、聟《むこ》なんぞに威張《えば》られてるなんちこと有《あ》るもんか、卯平等《うへいら》根性《こんじよう》薄弱《やくざ》だから仕《し》やうねえ」小柄《こがら》な爺《ぢい》さんは髮《かみ》を一|杯《ぱい》に汗《あせ》で濕《うるほ》した。
「威張《えば》らツる理由《わけ》ぢやねえが、俺《お》ら俺《お》れでやんべと思《おも》つてんだから」卯平《うへい》は自分《じぶん》を庇護《ひご》するやう
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