て見《み》さつせえよ」婆《ばあ》さん等《ら》は側《そば》から交互《たがひ》に杯《さかづき》を侑《すゝ》めた。彼等《かれら》は情《なさけ》なげな卯平《うへい》を慰《なぐさ》めようとするよりも、獨《ひとり》むつゝりとして居《ゐ》る彼《かれ》を伴侶《なかま》に引《ひ》つ込《こ》まうといふのと、變《かは》つて居《ゐ》る彼《かれ》の容子《ようす》に對《たい》して揶揄《からか》つても見《み》たいからとであつた。
「俺《お》ら錢《ぜね》出《だ》しもしねえで、他人《ひと》の酒《さけ》なんぞ」卯平《うへい》は口《くち》が粘《ねば》つて舌《した》が硬《こは》ばつたやうにいつた。
「おめえ管《かま》あもんぢやねえな、其※[#「麾」の「毛」にかえて「公」の右上の欠けたもの、第4水準2−94−57]《そんな》こと」婆《ばあ》さん等《ら》は又《また》いつた。
「酒代《さかで》足《た》んなけりや、こつちの方《はう》に寺錢《てらせん》出來《でき》てるよおめえ等《ら》」寶引《はうびき》の仲間《なかま》がこちらを顧《かへり》みていつた。
「要《え》らねえともそんな錢《ぜね》なんざ、俺《お》ら博奕《ばくち》なんざ何《なん》
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