て仕《し》やうねえだよ」と彼《かれ》は穢《きたな》い手拭《てぬぐひ》で顏《かほ》の汗《あせ》を一|度《ど》ふいた。彼《かれ》は七十を越《こ》えても髮《かみ》はまだ幾《いく》らも白《しろ》くなかつた。彼《かれ》は石《いし》の塊《かたまり》を投《な》げ出《だ》したやうな堅《かた》い身體《からだ》に力《ちから》を入《い》れて獨《ひと》り威勢《ゐぜい》づいた。
「俺《お》らそれから五|百匁《ひやくめ》位《ぐれえ》な軍鷄雜種《しやもおとし》一|羽《ぱ》引《ひ》つ縊《くゝ》つて一|遍《ぺん》に食《く》つちまつたな、さうしたら熱《ねつ》出《で》た」彼《かれ》は俄《にはか》に聲《こゑ》を低《ひく》くしたが、更《さら》に以前《いぜん》に還《かへ》つて
「熱《ねつ》は出《で》たがそれで俺《お》れぐつと身體《からだ》にや力《ちから》つけつちやつたな、其《そ》の所爲《せゐ》だな十五|日《んち》で癒《なほ》つたな、そんだから俺《お》ら直《す》ぐに麥《むぎ》の八|斗《と》はずん/\搗《つ》けたな、俺《お》らこんで體格《なり》はちつちえが強《つを》かつたな、俺《お》らがな無垢《むく》に強《つえ》えのがだから、いや本
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