け》は幾《いく》らか腹《はら》に餘計《よけい》であつた老人等《としよりら》はもう卯平《うへい》を見遁《みのが》しては置《お》かなかつたのである。
「俺《お》ら暫《しばら》くやんねえから」卯平《うへい》はそつけなくいつて其《そ》の癖《くせ》の舌《した》を鳴《な》らした。
「何《なん》でまた飮《の》まねえんだ、さうだにしんねりむつゝりしてねえで、ちつた威勢《えせい》つけて見《み》るもんだ、そうれ」と先刻《さつき》からの爺《ぢい》さんは茶碗《ちやわん》を突《つ》きつけた。卯平《うへい》は復《ま》た舌《した》を鳴《な》らして、唾《つば》をぐつと嚥《の》んだ。
「俺《お》らはあ、暫《しばら》くやんねえから、煙草《たばこ》は身體《からだ》の工合《ぐえゝ》惡《わ》りいから斷《た》つたんだから何《なん》だが、酒《さけ》は此《こ》れ錢《ぜね》は稼《かせ》げねえし、ちつとでも飮《の》めば又《また》飮《の》みたくなつから廢《や》めつちやつたな、酒《さけ》もはあ以前《めえかた》た違《ちが》つて一|杯《ぺえ》幾《いく》らつちんだから錢《ぜね》くんのむやうで」彼《かれ》はぶすりとして然《しか》も力《ちから》のない
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