》に乘《じよう》じて放膽《はうたん》に騷《さわ》ぐ筈《はず》でなければならぬ。各自《かくじ》の前《まへ》に在《あ》る錢《ぜに》はどつぺを引《ひ》き當《あ》てた者《もの》の手《て》に一《ひと》つづゝ引《ひ》き去《さ》られて誰《たれ》の前《まへ》にも全《まつた》くなくなつた時《とき》又《また》更《さら》に置《お》かれるのである。彼等《かれら》はそれに熱中《ねつちう》して全《まつた》く他《た》を忘《わす》れて居《ゐ》る。寶引《はうびき》にも酒《さけ》にも加《くは》はらぬ老人等《としよりら》は棚《たな》の周圍《しうゐ》を廻《まは》つてからは歸《かへ》つたものも有《あ》つて寮《れう》には幾《いく》らか人數《にんず》も減《へ》つて居《ゐ》たが、圍爐裏《ゐろり》の邊《ほとり》は醉《ゑひ》が加《くは》はつて寶引《はうびき》の群《むれ》に行《ゆ》かぬ婆《ばあ》さん等《ら》は酒《さけ》の好《す》きな孰《ど》れも威勢《ゐせい》のいゝものばかりであつた。
「なあおめえ、こんで俺《お》らも若《わ》けえ時《とき》にや面白《おもしろ》えのがんだよなあ」と爺《ぢい》さんの肩《かた》へ靠《もた》れ掛《かゝ》るものもあつ
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