/\》さういはれて悄然《せうぜん》として居《ゐ》るのを、卯平《うへい》は凝視《みつ》めて餘計《よけい》に目《め》を蹙《しか》めつゝあるのであつた。さういふことが幾度《いくたび》か幾日《いくにち》か反覆《くりかへ》された後《のち》卯平《うへい》は與吉《よきち》へ一|錢《せん》の銅貨《どうくわ》を與《あた》へた。從來《これまで》に倍《ばい》して居《ゐ》るのと殆《ほとん》ど復《また》拒絶《きよぜつ》されるのではないかといふ懸念《けねん》を懷《いだ》きつゝある與吉《よきち》は何時《いつ》でも其《それ》に非常《ひじやう》な滿足《まんぞく》を表《あら》はした。其《その》容子《ようす》を見《み》る卯平《うへい》は勢《いきほ》ひ心《こゝろ》が動《うご》かされた。
自分《じぶん》の老衰者《らうすゐしや》であることを知《し》つた時《とき》諦《あきら》めのない凡《すべ》ては、動《と》もすれば互《たがひ》に餘命《よめい》の幾何《いくばく》もない果敢《はか》なさを語《かた》り合《あ》うて、それが戲談《じようだん》いうて笑語《さゞめ》く時《とき》にさへ絶《た》えず反覆《くりかへ》されて、各自《かくじ》が痛切《つ
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