つた。
「なあに、土瓶《どびん》だつて二|度目《どめ》のが少《すこ》しに仕《し》ねえで、先刻《さつき》のがより餘計《よけい》なツ位《くれえ》注《つ》ぎせえすりや大丈夫《だいぢようぶ》なんだが、それさうでねえと周圍《まあり》がそれ焦《こ》びつから」と側《そば》から直《す》ぐに口《くち》が出《で》た。
「そんぢや、今度《こんだ》澤山《しつかり》入《せ》えびやな、俺《お》ら碌《ろく》に飮《の》んもしねえで、怒《おこ》られちやつまんねえな」土瓶《どびん》を手《て》にした婆《ばあ》さんは笑《わら》ひながらいつた。
「本當《ほんたう》にすりや、一|遍《ぺん》毎《ごと》に土瓶《どびん》の中《なか》水《みづ》でゆすがなくつちや駄目《だめ》なんだがな」
「そつから、はあ、鐵瓶《てつびん》の中《なか》さ徳利《とつくり》おしこめばえゝんだな、さうすりやどうだもかうだもねえんだな」
「折角《せつかく》甘《うめ》え酒《さけ》臺《でえ》なしにして可惜物《あつたらもん》だな、此《こ》らこんで餘程《よつぽど》えゝ酒《さけ》だぞ」抔《など》といふ聲《こゑ》が雜然《ざつぜん》として聞《きこ》えた。
「鐵瓶《てつびん》ぢや
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