ま》くなくしつちやあから、」爺《ぢい》さんは土瓶《どびん》を疊《たゝみ》の上《うへ》へ置《お》いていつた。悉皆《みんな》がずらりと座《ざ》を作《つく》つた。茶呑茶碗《ちやのみぢやわん》が一《ひと》つ/\に置《お》かれて、何處《どこ》からか供《そな》へられた芋《いも》や牛蒡《ごばう》や人參《にんじん》や其《そ》の他《た》の野菜《やさい》の煮〆《にしめ》が重箱《ぢゆうばこ》の儘《まゝ》置《お》かれた。其處《そこ》には膳《ぜん》も臺《だい》も何《なに》もなかつた。土瓶《どびん》の酒《さけ》が徳利《とくり》へ移《うつ》されて土瓶《どびん》は再《ふたゝ》び自在鍵《じざいかぎ》へ吊《つる》された。二|度目《どめ》の酒《さけ》が茶碗《ちやわん》へ注《つ》がれた時《とき》
「此《こ》ら駄目《だめ》だ、焦臭《こげくさ》くしツちやつた、酒《さけ》沸《わか》すのにや畢《を》へねえどうも氣《き》をつけなくつちや、酒《さけ》と茶《ちや》はちつとでも臭味《くさみ》移《うつ》らさんだから」小柄《こがら》な爺《ぢい》さんは茶碗《ちやわん》を口《くち》へ當《あ》てゝ左《さ》も憤慨《ふんがい》に堪《た》へぬものゝやうにい
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