ち》を落《おと》したりして泣《な》く聲《こゑ》が相《あひ》交《まじ》つた。彼等《かれら》は庭《には》へおりてから徐《おもむ》ろに其《そ》の紙《かみ》を開《ひら》いて小豆飯《あづきめし》を手《て》で抓《つま》んで喫《た》べた。紙《かみ》にくつゝいた小豆飯《あづきめし》を彼等《かれら》は齒《は》で噛《かじ》るやうにしてとつた。破《やぶ》れた紙《かみ》を棄《す》てゝ菱餅《ひしもち》を懷《ふところ》へ入《い》れるものもあつた。庭《には》にはそつちにもこつちにも棄《す》てられた紙《かみ》が白《しろ》く亂《みだ》れて散《ち》らばつて居《ゐ》た。
老人等《としよりら》は圍爐裏《ゐろり》に絶《た》えず薪《たきぎ》を燻《く》べながら酒《さけ》を沸《わか》し始《はじ》めた。村落《むら》のどの家《うち》からか今日《けふ》も念佛衆《ねんぶつしう》へというて供《そな》へられた二|升樽《しようだる》を圍爐裏《ゐろり》の側《そば》へ引《ひ》きつけて、臀《しり》の煤《すゝ》けた土瓶《どびん》へごぼ/\と注《つ》いで自在鍵《じざいかぎ》へ掛《か》けた。外《そと》が餘《あま》りに寒《さむ》いからといふので念佛《ねんぶつ
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