》つた。彼《かれ》は小柄《こがら》な爺《ぢい》さんで一寸《ちよつと》婆《ばあ》さん等《ら》を顧《かへり》みて微笑《びせう》しながらいつたのである。彼《かれ》は喉《のど》へ二|重《ぢゆう》にした珠數《じゆず》を卷《ま》いて居《ゐ》た。彼《かれ》の聲《こゑ》は恐《おそ》ろしく大《おほ》きかつた。婆《ばあ》さん等《ら》は
「はい/\、そんぢや手《て》でも洗《あら》ひますべよ」といつたり
「俺《お》らおめえ、手洟《てばな》はかまねえよ」といつたりがら/\と騷《さわ》ぎながら、笑《わら》ひ私語《さゝや》きつゝ、濡《ぬ》れた手《て》を前掛《まへかけ》で拭《ふ》いて再《ふたゝ》び飯《めし》つぎを抱《かゝ》へた。婆《ばあ》さん等《ら》は箸《はし》の先《さき》で少《すこ》しづつ、飯《めし》つぎの物《もの》を突《つ》つ掛《か》けて其《そ》の擴《ひろ》げられた紙《かみ》へ置《お》きつゝ、端《はし》からぐるりと廻《まは》つて行《ゆ》く。紙《かみ》は子供等《こどもら》の數《かず》の外《ほか》にも敷《し》かれてあつた。それは空虚《から》になつた飯《めし》つぎを返《かへ》す時《とき》に其《そ》の中《なか》へ入《い》
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