《こ》の地《ち》を襲《おそ》うた暴風《ばうふう》の爲《ため》に、厚《あつ》い草葺《くさぶき》の念佛寮《ねんぶつれう》はごつしやりと潰《つぶ》された。其《そ》の時《とき》は幾多《いくた》の民家《みんか》が猶且《やつぱり》非常《ひじやう》な慘害《さんがい》を蒙《かうむ》つて、村落《むら》の凡《すべ》ては自分《じぶん》の凌《しの》ぎが漸《やつ》とのことであつたので、殆《ほと》んど無用《むよう》である寮《れう》の再建《さいこん》を顧《かへり》みるものはなかつた。さういふ間《あひだ》に他人《たにん》の林《はやし》に鉈《なた》を入《い》れねば薪《たきゞ》が獲《え》られぬ貧乏《びんばふ》な百姓等《ひやくしやうら》がこそ/\と寮《れう》の木材《もくざい》を引《ひ》いた。漸《やつ》とのことで現今《いま》の寮《れう》が以前《いぜん》の幾分《いくぶん》の一の大《おほ》きさに再建《さいこん》されるまでには其《そ》の棚《たな》も無残《むざん》な鋸《のこぎり》の齒《は》に掛《かゝ》つて居《ゐ》たのである。それでも、老人等《としよりら》は念佛《ねんぶつ》の復活《ふくくわつ》したことに十|分《ぶん》の感謝《かんしや》
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