棚《てんだな》の粧飾《かざり》の赤《あか》や青《あを》の紙《かみ》が明瞭《はつきり》として來《き》た。中心《ちうしん》に一|本《ぽん》の青竹《あをだけ》が立《た》てられて其《そ》の先端《せんたん》は青《あを》と赤《あか》と黄《き》との襲《かさ》ねた色紙《いろがみ》で包《つゝ》んである。其《そ》の周圍《しうゐ》には此《こ》れも四|本《ほん》の青竹《あをだけ》が立《た》てられてそれには繩《なは》が張《は》つてある。繩《なは》には注連《しめ》のやうに刻《きざ》んだ其《そ》の赤《あか》や青《あを》や黄《き》の紙《かみ》が一|杯《ぱい》にひら/\と吊《つ》られてある。彼等《かれら》は昨日《きのふ》の内《うち》に一|切《さい》の粧飾《かざり》をして※[#「奚+隹」、第3水準1−93−66]《にはとり》の鳴《な》くのを待《ま》つたのである。其《その》天棚《てんだな》は以前《もと》は立派《りつぱ》な木《き》の柱《はしら》を丁度《ちやうど》小《ちひ》さな家《いへ》の棟上《むねあ》げでもしたやうな形《かたち》に組《く》まれたのであつた。現今《いま》ではそれが無《な》く成《な》つたといふのは、一|度《ど》此
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