《うち》には卯平《うへい》との衝突《しようとつ》がぱつと又《また》傳播《でんぱ》された。然《しか》しそれは分別《ふんべつ》ある壯年《さうねん》の間《あひだ》にのみ解釋《かいしやく》し記憶《きおく》された。其《そ》の事件《じけん》の内容《ないよう》は勘次《かんじ》のおつぎに對《たい》する行爲《かうゐ》を猜忌《さいぎ》と嫉妬《しつと》との目《め》を以《もつ》て臆測《おくそく》を逞《たくま》しくするやうに興味《きようみ》を彼等《かれら》に與《あた》へなかつた。誰《だれ》も自分《じぶん》から彼等《かれら》の間《あひだ》に嘴《くちばし》を容《い》れようとはしない。遠《とほ》い以前《いぜん》から紛糾《こゞら》けて來《き》た互《たがひ》の感情《かんじやう》に根《ね》ざした事件《じけん》がどんな些少《させう》なことであらうとも、決《けつ》して快《こゝろ》よく解決《かいけつ》される筈《はず》でないことを知《し》つて居《ゐ》る人々《ひとびと》は幾《いく》ら愚《おろか》でも自《みづか》ら好《この》んで其《そ》の難局《なんきよく》に當《あた》らうとはしないのであつた。
二二
拂曉《よあ
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