じつかん》ぶら/\と遊《あそ》んで居《ゐ》た。忙《いそが》しい麥蒔《むぎまき》の季節《きせつ》が迫《せま》つて百姓《ひやくしやう》は悉《こと/″\》く畑《はたけ》へ出《で》て居《ゐ》るので晝間《ひるま》は彼《かれ》の相手《あひて》になるものがなかつたのみでなく、今《いま》に働《はたら》かずには居《を》られぬからと陰《かげ》で冷笑《れいせう》を浴《あ》びせて居《ゐ》るのであつた。此《こ》の季節《きせつ》を空《むね》しく費《つひや》すことが一|日《にち》でも非常《ひじやう》な損失《そんしつ》であるといふ見易《みやす》い利害《りがい》の打算《ださん》から彼《かれ》は到頭《たうとう》打《う》ち負《まか》されて復《また》一|所懸命《しよけんめい》に勞働《らうどう》に從事《じうじ》した。彼《かれ》はもう卯平《うへい》と一言《ひとこと》も口《くち》を利《き》かなくなつた。寡言《むくち》なむつゝりとした卯平《うへい》は固《もと》より勘次《かんじ》を顧《かへり》みようともしなかつた。おつぎはそれを心《こゝろ》に苦《くる》しんで見《み》たがそれは到底《たうてい》及《およ》ばぬことであつた。村落《むら》の内
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