ていしゆ》はそれも義理《ぎり》だといふやうに聞《き》いた。
「うむ」と勘次《かんじ》はいひ淀《よど》んだ。南《みなみ》の亭主《ていしゆ》は其《そ》の理由《わけ》を覺《さと》ることは出來《でき》ないのみでなく、其《そ》のいひ澱《よど》んだことを不審《ふしん》に思《おも》ふ心《こゝろ》さへ起《おこ》さぬ程《ほど》放心《うつかり》と聞《き》いて居《ゐ》た。
「そんで爺樣《ぢさま》はどうしたつちんでえ」南《みなみ》の亭主《ていしゆ》はそれから先《さき》を聞《き》いた。
「俺《お》ら朝《あさ》つぱら出掛《でかけ》つちやつてまあだ行逢《えきや》えもしねえから、どうするつちんだか分《わか》んねえが、どうせ甘《うめ》え面付《つらつき》もしちや居《え》らんめえな、此《こ》んで怪我《けが》なんぞさせてえゝ心持《こゝろもち》ぢやあんめえな、さうぢやねえけ」勘次《かんじ》はだん/\勢《いきほ》ひがついていつた。
「そんぢや噺《はなし》はどうゆ姿《なり》にもして置《お》かなくつちやしやうあんめえな、俺《お》れまあ噺《はなし》はして見《み》つから、どつちがどうのかうのつちつたつて仕《し》やうねえし、まさかおめえ手
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