ん》の上膊《じやうはく》が挫折《ざせつ》してぶらりと垂《た》れて居《ゐ》た。醫者《いしや》は怪我人《けがにん》の患部《くわんぶ》に手《て》を觸《ふ》れて見《み》て
「お前《まへ》そつち持《も》つて」と簡單《かんたん》に顎《あご》で百姓《ひやくしやう》へ指圖《さしづ》した。百姓《ひやくしやう》は怖《お》づ/\怪我人《けがにん》の後《うしろ》へ廻《まは》つて蒼《あを》い顏《かほ》をして抱《だ》いた。
「えゝか、ぎつと抱《だ》いてるんだぞ」醫者《いしや》は足《あし》を怪我人《けがにん》の腹部《ふくぶ》に當《あ》てゝ兩手《りやうて》に挫折《ざせつ》した手《て》を持《も》つて曳《ひ》かうとした。怪我人《けがにん》は恐《おそ》ろしさにわつと聲《こゑ》を放《はな》つて泣《な》いた。醫者《いしや》は手《て》を止《と》めた。
「お前《まへ》兄貴《あにき》だな、そんぢやえゝ、徒勞《むだ》だ」と抱《だ》いた手《て》を放《はな》たしめた。百姓《ひやくしやう》は骨肉《こつにく》の勦《いたは》りが泣《な》き號《さけ》ぶ子《こ》をぎつと力《ちから》を籠《こ》めて曳《ひ》かせない。そんな思《おも》ひきつた手段《しゆだ
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