》つて居《ゐ》るのは悉皆《みんな》怪我人《けがにん》ばかりである。首《くび》から白《しろ》い布片《きれ》を吊《つ》つて此《こ》れも白《しろ》く繃帶《ほうたい》した手《て》を持《も》たせたものもあつた。其處《そこ》に蒼《あを》い顏《かほ》をしてぐつたりと横《よこた》はつて居《ゐ》るものもあつた。勘次《かんじ》は怪我人《けがにん》の後《うしろ》に隱《かく》れるやうにして自分《じぶん》の番《ばん》になるのを待《ま》ちながら周邊《あたり》が何《なん》となく藥臭《くすりくさ》くて恐《おそ》ろしいやうな感《かん》じに囚《とら》はれた。醫者《いしや》は一人《ひとり》の患部《くわんぶ》を軟《やはら》かに柔《も》んでやつて居《ゐ》たが勘次《かんじ》をちらと見《み》た。勘次《かんじ》は何《なん》だか睨《にら》まれたやうに感《かん》じた。醫者《いしや》は爼板《まないた》のやうな板《いた》の上《うへ》に黄褐色《くわうかつしよく》な粉藥《こぐすり》を少《すこ》し出《だ》して、白《しろ》い糊《のり》と煉《ね》り合《あは》せて、罎《びん》の酒《さけ》のやうな液體《えきたい》でそれを緩《ゆる》めてそれから長《なが》い
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