う》けて地《ち》にひつゝくやうにして漸《やつ》と斜《なゝめ》に廣《ひろ》がるのみで、毫《すこし》でも高《たか》く立《た》ち昇《のぼ》ることを許容《ゆる》されて居《を》らぬ。恁《か》うして畑《はたけ》の土《つち》は只《たゞ》冷《つめ》たく凍《こほ》るのを待《ま》つて居《ゐ》るのである。
 勘次《かんじ》は漸《やうや》く整骨醫《せいこつい》の門《もん》に達《たつ》した。整骨醫《せいこつい》の家《いへ》はがら竹《たけ》の垣根《かきね》に珊瑚樹《さんごじゆ》の大木《たいぼく》が掩《おほ》ひかぶさつて陰氣《いんき》に見《み》えて居《ゐ》た。戸板《といた》を三|角形《かくけい》に合《あは》せて駕籠《かご》のやうに拵《こしら》へたのが垣根《かきね》の内《うち》に置《お》かれてあつた。誰《たれ》か重《おも》い怪我人《けがにん》が運《はこ》ばれたのだと勘次《かんじ》は直《す》ぐに悟《さと》つてさうして何《なん》だか悚然《ぞつ》とした。彼《かれ》は業々《げふ/\》しい自分《じぶん》の扮裝《いでたち》に恥《は》ぢて躊躇《ちうちよ》しつゝ案内《あんない》を請《こ》うた。ぽつさりとして玄關《げんくわん》に待《ま
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