》と慰藉《ゐしや》とに渇《かつ》して居《ゐ》たのである。
畑《はたけ》の黒《くろ》い土《つち》にはぽつ/\と大根《だいこん》の葉《は》が繁《しげ》つて居《ゐ》る。周圍《しうゐ》に冴《さ》えた青《あを》い物《もの》は大根《だいこん》の葉《は》のみである。大根《だいこん》の葉《は》は、一|旦《たん》地上《ちじやう》の緑《みどり》を奪《うば》うて透徹《とうてつ》した空《そら》が其《そ》の濃厚《のうこう》な緑《みどり》を沈澱《ちんでん》させて地上《ちじやう》に置《お》いた結晶體《けつしやうたい》でなければならぬ。晩秋《ばんしう》の氣《き》は只管《ひたすら》に沈《しづ》まうとのみして居《ゐ》る。生殖作用《せいしよくさよう》を畢《をは》つた凡《すべ》ての作物《さくもつ》の穗先《ほさき》は悉皆《みんな》もう俛首《うなだ》れて居《ゐ》る。蟲《むし》の聲《こゑ》も地《ち》に沁《し》み入《い》らうとして居《ゐ》る。獨《ひと》り爽《さわや》かな緑《みどり》を與《あた》へられた大根《だいこん》の葉《は》も、幾《いく》ら成長《せいちやう》しても強《つよ》く引《ひ》き締《し》める晩秋《ばんしう》の氣《き》を受《
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