程《ほど》の硬《こは》い意地《いぢ》の惡《わる》い葉《は》を持《も》つた芒《すゝき》までが、さうしなければ目《め》にも立《た》たないのに態々《わざ/\》と薄赤《うすあか》い軟《やはら》かな穗先《ほさき》を高《たか》くさし扛《あ》げて、他《ひと》一|倍《ばい》に騷《さわ》いだ。暫《しばら》くして秋《あき》は眩《まぶし》い程《ほど》冴《さ》えた空《そら》を見《み》せた。畑《はたけ》には晝《ひる》が餘計《よけい》に明《あか》るい程《ほど》黄褐色《くわうかつしよく》に成熟《せいじゆく》した陸稻《をかぼ》が一|杯《ぱい》に首肯《うなづ》いた。蕎麥《そば》は爽《さわや》かで且《か》つ細《ほそ》く強《つよ》い秋雨《あきさめ》がしと/\と洗《あら》つて秋風《あきかぜ》がそれを乾《かわ》かした。洗《あら》つては乾《かわか》し/\屡《しば/\》それが反覆《はんぷく》されてだん/\に薄青《うすあを》く、さうして闇《やみ》の夜《よ》をさへ明《あかる》くする程《ほど》純白《じゆんぱく》に曝《さら》された。臺地《だいち》の畑《はたけ》は黄白《くわうはく》相《あひ》交《まじ》つて地勢《ちせい》の儘《まゝ》になだらか
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