》に濟《す》まねえな、そんぢや此《こ》れも明日《あした》までとつて置《お》いてくろうな」と更《さら》に又《また》臀《しり》を据《す》ゑて一|杯《ぱい》の茶《ちや》を啜《すゝ》つた。
「おやツ、此《こ》の栗《くり》は笑《ゑ》んでんだなはあ」庭先《にはさき》の栗《くり》の梢《こずゑ》に始《はじ》めて目《め》をつけた樣《やう》におつたはいつた。
「此間《こねえだ》からなんでさ、ちつとばかしだが落《お》ちたの有《あ》りあんさ」おつぎは小笊《こざる》の底《そこ》の粒栗《つぶぐり》を出《だ》して
「あつちになけりや持《も》つてつたらようござんせう、大豆《でえづ》もこれ打《ぶ》つた處《ところ》なら持《も》つてくとえゝんでがしたがね」おつぎは快《こゝろよ》くいつた。
「さうだな、そんぢや貰《もら》つて行《え》くかな」おつたは手拭《てぬぐひ》の兩端《りやうはし》へ栗《くり》を括《くゝ》つた。
「こつちのおとつゝあん、此《こ》れわし役場《やくば》から下《さが》つたの持《も》つて來《き》て見《み》たんだが一つ分《わ》けて貰《もら》つたらようがせう、滅多《めつた》ねえ味《あぢ》のもんだから」おつぎが先刻《さつ
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