ふろしき》要《え》るつちから貸《か》してくんねえか、米《こめ》脊負《しよ》つて行《え》くんだから」おつぎは突然《だしぬけ》にいつた。
「うむ」と卯平《うへい》は不器用《ぶきよう》に風呂敷《ふろしき》を出《だ》してさうしておつぎの後《うしろ》からおつたの側《そば》へのつそりと來《き》て立《た》つた。
「此《こ》れまあ、勘次等《かんじら》にも濟《す》まねえつちつてつ處《ところ》さ、わし等《ら》も洪水《みづ》でねえ」おつたは風呂敷《ふろしき》で南京米《なんきんまい》の袋《ふくろ》をきりつと包《つゝ》んだ。
「そんぢや此《こ》の南瓜《たうなす》も俺《お》れ貰《もら》つてえゝんだな、馬鹿《ばか》に大《え》けえ南瓜《たうなす》ぢやねえかな、明日《あした》まで置《お》いてくろうな」おつたは始終《しよつちう》笑顏《えがほ》を作《つく》つて居《ゐ》る處《ところ》へ南《みなみ》の女房《にようばう》は葱《ねぎ》を一束《ひとたば》藁《わら》でくるんだのを抱《かゝ》へて來《き》た。
「どうも濟《す》みませんねこら」おつたは勘次《かんじ》を見《み》て
「どうしたもんだ、たえした葱《ねぎ》ぢやねえか、本當《ほんたう
前へ
次へ
全956ページ中674ページ目
小説の先頭へ
文字数選び直し
長塚 節 の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ
登録
ご利用方法
ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング