はいひながら家《いへ》の内《うち》へおつたを導《みちび》いた。大豆《だいづ》の埃《ほこり》を厭《いと》うて雨戸《あまど》は閉《し》め切《き》つてあつたので、大戸《おほど》を一|杯《ぱい》に開《あ》けても内《うち》は少《すこ》し闇《くら》く且《かつ》暑《あつ》かつた。おつぎは先頃《さきごろ》の樣《やう》に直《すぐ》に竈《かまど》を焚《た》いて柄杓《ひしやく》で二三|杯《ばい》の水《みづ》を茶釜《ちやがま》へ注《さ》した。
「なんちつても、かうえ豆《まめ》とれるなんておめえ等《ら》方《はう》はえゝのよなあ、俺《お》ら方《はう》ぢや土手《どて》の近《ちか》くで手《て》の有《あ》るもなあ、田《た》の畦豆《くろまめ》引《ひ》つこ拔《ぬ》えて土手《どて》の中《ちう》ツ腹《ぱら》へ干《ほ》しちや見《み》た樣《やう》だが、まあだなんちつても莢《さや》が本當《ほんたう》に膨《ふく》れねえんだから、ほんの豆《まめ》の形《かたち》したつち位《くれえ》なもんだべな、そりやさうと此《こ》の豆《まめ》はえゝ豆《まめ》だな、甘相《うまさう》でなあ」おつたは閾《しきゐ》を跨《また》いで手先《てさき》の豆《まめ》を少《
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