すこ》し攫《つか》んで見《み》ていつた。それからおつたは洋傘《かさ》と一つに置《お》いた先刻《さつき》の風呂敷包《ふろしきづゝみ》を持《も》ち込《こ》んでさうして又《また》臀《しり》を据《す》ゑた。
「水《みづ》ん中《なか》に居《ゐ》ちや仕事《しごと》するにも仕事《しごと》はなしさなあ、それからみんな棒《ぼう》の先《さき》へ鈎《はり》くつゝけて魚釣《さかなつ》りしたのよ、庭《には》で幾《いく》らでも鮒《ふな》釣《つ》れるつちんだから知《し》らねえものが見《み》ちや酷《ひど》く困《こま》んねえ奴等《やつら》だと思《おも》ふ位《くれえ》なもんだんべのさ」おつたは一|杯《ぱい》の茶《ちや》を啜《すゝ》つて喉《のど》を濕《うるほ》した。おつぎも南《みなみ》の女房《にようばう》も眼《め》を据《す》ゑて默《だま》つて聞《き》いて居《ゐ》た。勘次《かんじ》は六《むづ》ヶ|敷《しい》顏《かほ》をして居《ゐ》ながらも熱心《ねつしん》に聞《き》いた。
「後《あと》が酷《ひど》くつてな、縁《えん》の下《した》でも何《なん》でも泥《えごみ》が一|杯《ぺえ》で、そえつあゝ掻《か》ん出《だ》せばえゝんだが床板《ゆ
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