《おも》ふもんだから明《あか》り點《つ》けてたんだが其《そ》の所爲《せゐ》か餘計《よけい》に來《く》る樣《やう》で、薄《うす》つ闇《くれ》え明《あか》りだからぢつき側《そば》へ來《き》てからでなくつちや分《わか》んねえし、首《くび》擡《もちや》げてんの見《み》ちや本當《ほんたう》に厭《や》でねえ」おつたは幾《いく》らいつても竭《つ》きない當時《たうじ》を髣髴《はうふつ》せしめようとする容子《ようす》でいつた。
 栗《くり》の木《き》の陰《かげ》に居《ゐ》た勘次《かんじ》はだん/\と幾《いく》らづゝでも洪水《こうずゐ》の噺《はなし》に興味《きようみ》を感《かん》じても來《き》たし、それから假令《たとひ》どうでも尋《たづ》ねて來《き》た※[#「姉」の正字、「女+※[#第3水準1−85−57]のつくり」、299−10]《あね》に挨拶《あいさつ》もせぬのは他人《たにん》の手前《てまへ》が許容《ゆる》さないので漸《やうや》く立《た》つて
「※[#「姉」の正字、「女+※[#第3水準1−85−57]のつくり」、299−11]等《あねら》も隨分《ずゐぶん》ひでえ目《め》に遭《あつ》たんだな」彼《かれ》
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