ひて》を見《み》つけて力《ちから》を得《え》たやうにいつた。
「此《こ》んでもまさか、此《こ》の村落《むら》だつて隨分《ずいぶん》かぶつた處《ところ》も有《あ》んだから全然《まるつきり》なんともねえつちこともねえがねえ」南《みなみ》の女房《にようばう》は聲《こゑ》を低《ひく》くしていつた。
「そんでも此處《こゝ》らぢや居《ゐ》る處《とこ》にや支障《さはり》ねえんだからなんちつても諦《あきら》めはようがさね、わし等《ら》方《はう》なんぞぢや、土手《どて》へ筵圍《むしろがこ》ひしてやつとこせ凌《しの》いだものなんぼ有《あ》つたかせ、土手《どて》に居《ゐ》ても雨《あめ》せえなけりやえゝが、降《ふ》られちや酷《ひで》えつち噺《はなし》でがしたよ、そんでもまあわし等《らあ》、家《うち》に居《え》られんな居《え》られたんだからまあ同《おな》じにもようがしたのせ、そんでも床《ゆか》の上《うへ》へ四|斗樽《とだる》かう倒《さかさ》にして置《お》えてね、其《その》上《うへ》へ板《いた》渡《わた》してやつとまあ居通《ゐとほ》しあんしたがね、煮燒《にやき》すんのもやつとこせで、隣近所《となりきんじよ》は有《
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