《か》けた風呂敷包《ふろしきづゝみ》をおろした。
「おゝ重《おも》たかつた」と少《すこ》し汗《あせ》ばんだ額《ひたひ》を手拭《てぬぐひ》でふきながら洋傘《かうもり》を仰向《あふむけ》に戸口《とぐち》へ置《お》いて、洋傘《かうもり》の中《なか》へ其《そ》の風呂敷包《ふろしきづゝみ》を置《お》いた。南《みなみ》の女房《にようばう》はおつたを見《み》て立《た》つた。
「おやまあ、暫《しば》らくでがしたね」とおつたは、先《さき》に世辭《せじ》をいうた。
「さういへばまあ、あつちの方《はう》は酷《ひで》え洪水《みづ》だつち噺《はなし》だつけがどうでござんしたね」女房《にようばう》は手拭《てぬぐひ》をとつていつた。
「噺《はなし》の外《ほか》でがさどうも、彼此《かれこ》れはあ、小卅日《こさんじいんち》にも成《な》んべが、まあだかたでどつちから手《てえ》つけてえゝか分《わか》んねえんでがさどうもはあ、わし等《ら》方《はう》見《み》てえに洪水《みづ》ばかし出《で》たんぢや、居《ゐ》んのも厭《や》んなつちまあやうなのせ本當《ほんたう》に、さう云《ゆ》つてもこつちの方《はう》はようがすね」おつたは相手《あ
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