》を上《うへ》にして先《さき》を丸《まる》く開《あ》いて互《たがひ》の幹《みき》が支柱《しちう》に成《な》るやうにして庭《には》一|杯《ぱい》に立《た》てゝ干《ほ》した。煙草《たばこ》を一|服《ぷく》吸《す》ふだけの時間《じかん》に、成熟《せいじゆく》しきつた大豆《だいづ》は漸《やうや》くぱち/\と輕《かる》い快《こゝろよ》い響《ひゞき》を立《た》てつゝ爆《は》ぜ始《はじ》めた。大豆《だいづ》は悉《ことごと》く庭《には》の土《つち》に倒《たふ》された。三|人《にん》は連枷《ふるぢ》を執《と》つて端《はし》からだん/\と幹《から》を打《う》つた。おつぎと南《みなみ》の女房《にようばう》とは相《あひ》竝《なら》んで勘次《かんじ》に對《たい》して交互《かうご》に打《う》ち卸《おろ》す連枷《ふるぢ》がどさり/\と庭《には》の土《つち》を打《う》つと硬《こは》ばつた大豆《だいづ》の幹《から》はしやりゝ/\と乾燥《かんさう》した輕《かる》い響《ひゞき》を交《まじ》へてくすんだ穢《きたな》い莢《さや》が白《しろ》く割《わ》れて薄青《うすあを》いつやゝかな豆《まめ》の粒《つぶ》が威勢《ゐせい》よく跳《
前へ 次へ
全956ページ中660ページ目


小説の先頭へ
文字数選び直し
長塚 節 の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ 登録 ご利用方法 ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング