うに見《み》えた。其《そ》の一|杯《ぱい》に開《ひら》いた皿《さら》の樣《やう》な花《はな》が庭先《にはさき》からいつでも冷《ひやゝ》かな三|人《にん》を嘲《あざけ》るものゝやうに見《み》えるのであつた。
竹《たけ》の棒《ぼう》はぎつと突《つ》き透《とほ》した儘《まゝ》いつまでも空《むな》しく鳳仙花《ほうせんくわ》の傍《そば》に立《た》つて居《ゐ》た。
二〇
秋《あき》だ。
孰《いづ》れの梢《こずゑ》も繁茂《はんも》する力《ちから》が其《そ》の極度《きよくど》に達《たつ》して其處《そこ》に凋落《てうらく》の俤《おもかげ》が微《かす》かに浮《うか》んだ。毎日《まいにち》透徹《とうてつ》した空《そら》をぢり/\と軋《きし》りながら高熱《かうねつ》を放射《はうしや》しつゝあつた日《ひ》も餘《あま》りに長《なが》い晝《ひる》の時間《じかん》に倦《う》まうとして、空《そら》からさうして地上《ちじやう》の凡《すべ》てが漸《やうや》く變調《へんてう》を呈《てい》した。心《こゝろ》もとなげな雲《くも》が簇々《むら/\》と南《みなみ》から駈《か》け走《はし》つて、其《その》度
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