でぐち》から一寸《ちよつと》顧《かへり》みていつた。さうしてさつさと行《い》つて畢《しま》つた。隣《となり》の庭《には》の麥打《むぎうち》の連中《れんぢう》は、靜《しづ》かになつたこちらの庭《には》を嘲《あざけ》るやうに騷《さわ》いでは又《また》騷《さわ》ぐのが聞《きこ》えた。勘次《かんじ》は只《ただ》力《ちから》を極《きは》めて蕎麥《そば》の幹《から》を打《う》つて遂《つひ》に一|言《ごん》も吐《は》かなかつた。おつぎは垣根《かきね》の上《うへ》に浮《うか》んだおつたの洋傘《かさ》が見《み》えなくなるまで暫《しばら》くぽつさりとして庭《には》に立《たつ》た。卯平《うへい》は煙管《きせる》を噛《か》んだ儘《まゝ》凝然《ぢつ》として默《だま》つて居《ゐ》た。卯平《うへい》は暫《しばら》くして鳳仙花《ほうせんくわ》の折《を》れたのを見《み》つけて井戸端《ゐどばた》へ立《た》つた。彼《かれ》はいきなり蕎麥幹《そばがら》の束《たば》を大《おほ》きな足《あし》で蹴《け》つた。彼《かれ》は更《さら》に短《みじか》い竹《たけ》の棒《ぼう》を持《も》つて行《い》つてきつと力《ちから》を極《き》めて地《
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