、一|刻《こく》も居《ゐ》ちや邪魔《じやま》でがせうから、こつちのおとつゝあんも邪魔《じやま》に成《な》んねえ方《はう》がようがすよねえ」おつたは洋傘《かさ》を開《ひら》いて
「岡目《をかめ》でも知《し》れまさあねえ、假令《たとひ》どうでも俵《たはら》まで持《も》つてられて、辨償《まよ》つて見《み》た處《ところ》で三十|錢《せん》か五十|錢《せん》のことだんべぢやねえか、出來《でき》るも出來《でき》ねえもあるもんぢやねえ」とおつたは忌々敷《いま/\し》さに其《そ》の口《くち》を止《と》めなかつた。
「お晝餐《ひる》はどうでがすね」おつぎはそれでも怖《お》づ/\おつたへいつた。
「俺《お》ら、はあ要《え》らねえともね」おつたは蕎麥《そば》の種子《み》の一|杯《ぱい》に散《ち》らけた庭《には》を遠慮《ゑんりよ》もなく一|直線《ちよくせん》に不駄《げた》の跡《あと》をつけた。
「勘次等《かんじら》、親子《おやこ》仲《なか》よくつてよかんべ、世間《せけん》の聞《きこ》えも立派《りつぱ》だあ、親身《しんみ》のもなあ、お蔭《かげ》で肩身《かたみ》が廣《ひろ》くつてえゝや」おつたは庭《には》の出口《
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