かんじ》は庭《には》から偸《ぬす》むやうに視《み》ては卯平《うへい》がおつたへ威勢《ゐせい》をつけて居《ゐ》るやうに思《おも》つた。彼《かれ》は解《と》いて打《う》つて更《さら》に藁《わら》で括《くゝ》つた蕎麥《そば》の束《たば》をどさりと遠《とほ》くへ擲《はふ》つた。葉《は》が更《さら》にぐつたりと萎《しを》れた鳳仙花《ほうせんくわ》の枝《えだ》がすかりと裂《さけ》て先《さき》が地《ち》についた。
「※[#「姉」の正字、「女+※[#第3水準1−85−57]のつくり」、292−2]等《あねら》、大層《たえそ》なこと云《ゆ》つたつて、老人《としより》の面倒《めんだう》見《み》たゝ云《ゆ》へめえ」勘次《かんじ》はぶつ/\と獨語《どくご》した。おつたの耳《みゝ》にも微《かす》かにそれが聞《きこ》えた。おつたは屹《きつ》と見《み》た。
「おとつゝあ默《だま》つてるもんだ」おつぎは輕《かる》く勘次《かんじ》を制《せい》して
「お晝餐《ひる》だぞはあ」とおつぎは更《さら》に勘次《かんじ》へ注意《ちうい》した。
「そんぢやこつちのおとつゝあん、お八釜敷《やかまし》がした、わしや歸《けえ》りませうはあ
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