じ》けえのに心底《しんてえ》のえゝものでなくつちや、萬一《まさか》の時《とき》が心配《しんぺえ》だからねえ、後《あと》の者《もの》の厄介《やくけえ》に成《な》りてえつちな皆《みんな》おんなじだんべぢやねえか、ねえこつちのおとつゝあんさうでがせう、そんでそれ娵《よめ》つちのが心底《しんてえ》のえゝ女《をんな》だつちんだからわしも欲《ほ》しいのさ本當《ほんたう》の噺《はなし》がねえ、さう云《ゆ》つちや我慾《がよく》の樣《やう》だがおんなじもんなら軟《やつ》けえ言辭《ことば》でも掛《か》けてくれる嫁《よめ》でなくつちやねえ、さうぢやあんめえかね」おつたは狹《せま》い戸口《とぐち》に立《た》つた儘《まゝ》洋傘《かさ》の先《さき》で土《つち》へ穴《あな》を穿《うが》ちながら勘次《かんじ》の方《はう》をぢろつと見《み》つゝいきり立《た》つていつた。
「そりや、はあ、さうだが」只《たゞ》此《これ》だけいつて寡言《むくち》な卯平《うへい》は自分《じぶん》の意《い》を得《え》たといふ樣《やう》に始終《しじう》窪《くぼ》んだ目《め》を蹙《しが》めて手《て》からは煙管《きせる》を放《はな》さなかつた。勘次《
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