《お》くべと思《おも》つたんだな」
「俺《お》ら何《なに》も不服《ふふく》いふ席《せき》はねえな」勘次《かんじ》は少《すこ》し安心《あんしん》したらしく、恁《か》う輕《かる》くいひ退《の》けた。
「そんだらえゝがなよ、彼《あ》れもはあ廿七に成《なる》んだから俺《お》らもこんでまあ心配《しんぺえ》はしてたんだが、自分《じぶん》でもそれ無《ね》え足《た》んねえの心配《しんぺえ》が絶《た》えねえもんだから、思《おも》つちや居《ゐ》ても手《て》が出《で》ねえのよ、自分《じぶん》の餓鬼《がき》のことおめえ全然《まるつきり》どうなつても管《かま》あねえたあ思《おも》へねえよこんで」勘次《かんじ》は足《あし》の先《さき》で土間《どま》の土《つち》を擦《こす》りながら默《だま》つておつたのいふのを聞《き》いた。
「彼《あれ》もそれ中途《ちうと》で盲目《めくら》に成《な》つたんだから、それまでに働《はたら》いて身體《からだ》は成熟《でき》てるしおめえも知《し》つてる通《とほ》りあんで居《ゐ》て仕事《しごと》も出來《でき》るしするもんだから、難有《ありがて》えことに不具《かたわ》でも嫁《よめ》世話《せわ》
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