つて貰《もれ》えてえと思《おも》ふこと有《あ》つて來《き》たんだつけがなよ」おつたは態《わざ》と改《あらた》まつた容子《ようす》でなくいひ掛《か》けた。
「何《なん》だんべ」勘次《かんじ》はふつと彼《かれ》の平生《へいぜい》に還《かへ》らうとして例《いつも》の不安《ふあん》らしい目《め》を※[#「目+爭」、第3水準1−88−85]《みは》つておつたを見《み》た。
「なあにたえしたこつちやねえが、盲目《めくら》の野郎《やらう》げ嫁《よめ》世話《せわ》されるもんだからどうしたもんだんべかと思《おも》つてよ」
「※[#「姉」の正字、「女+※[#第3水準1−85−57]のつくり」、287−11]《あね》貰《もら》へたけりや他人《ひと》にや管《かま》あこたあ有《あ》んめえな」勘次《かんじ》はおつたがゆつくりといふのが畢《をは》らぬのにそつけなくいつた。
「さう云《ゆ》つちめえばさうだがなよ、そんだつて同胞《きやうでえ》に一噺《ひとはなし》もねえなんて後《あと》で文句《もんく》云《ゆ》はれても、默《だま》つてちやおめえ口《くち》が開《あ》けめえな、そんだから俺《お》らおめえげ耳打《みゝうち》して置
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