つきやう》を片口《かたくち》へ出《だ》しておつたの側《そば》へ侑《すゝ》めた。勘次《かんじ》は一つ撮《つま》んでかり/\と噛《かじ》つた。少《すこ》し丸《まる》みがかつた頬《ほゝ》に絶《たえ》ず微笑《びせう》を含《ふく》んで勘次《かんじ》のいふことを聞《き》いて居《ゐ》たおつたは何《なに》か更《さら》にいはうとして一寸《ちよつと》躊躇《ちうちよ》しつゝある容子《ようす》が見《み》えた。勘次《かんじ》もおつぎもそれは知《し》らなかつた。おつたは一|杯《ぱい》に注《つ》いである茶碗《ちやわん》へ又《また》茶《ちや》を注《つ》がうとして俄《にはか》に止《や》めた。おつたは茶碗《ちやわん》をぐつと嚥《の》み干《ほ》した。
「こんで同胞《きやうでえ》のえゝ噺《はなし》聞《き》くな惡《わる》かねえもんだよ、有繋《まさか》自分《じぶん》ばかしよくつて他《ほか》の同胞《きやうでえ》にや管《かま》あねえつちいものもねえかんな」といつて庭《には》の便所《べんじよ》へ立《た》つてそれから再《ふたゝ》び上《あが》り框《がまち》に腰《こし》を卸《おろ》した。
「俺《お》らおめえにちつと相談《さうだん》に乘《の》
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