《こ》まれた樣《やう》に此《こ》の時《とき》微笑《びせう》を洩《も》らして
「俺《お》らも今《いま》んなつてからぢやこれ、噺《はなし》するやうなもんだが一《ひと》しきりや泣《な》いたかんな本當《ほんたう》に、こんでも此《こ》の位《くらえ》にすんにやゝつとこせえだぞ」といつた。
「おつぎも働《はたら》け相《さう》だな、きり/\としてなあ、先刻《さつき》俺《お》ら蕎麥《そば》打《ぶ》つてんの見《み》てゝも心持《こゝろもち》えゝ樣《やう》だつけよ、仕事《しごと》はなんでも身拵《みごしれ》えのえゝもんでなくつちやなあ、此《こ》れもおめえが仕込《しこみ》の所爲《せゐ》だんべが」おつたはさういつて又《また》
「そりやさうとおつかさまに其儘《そつくり》だなあ」と側《そば》に居《ゐ》たおつぎに目《め》を移《うつ》した。おつぎはそれを聞《き》くと共《とも》に身《み》を避《さ》ける樣《やう》に手桶《てをけ》を持《も》つて庭《には》へ出《で》た。
「俺《お》らもこんで嚊《かゝあ》に死《し》なれた當座《たうざ》にや此《こ》れも役《やく》に立《た》たねえから泣《な》きぬいたよ」勘次《かんじ》は俄《にはか》にしん
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