みりとしていつた。おつたはお品《しな》のことが勘次《かんじ》の口《くち》から出《で》た時《とき》微《かす》かに苦笑《くせう》して
「ほんに、俺《お》ら彼《あ》ん時《とき》にや來《き》ねえつちやつたつけが、遠《とほ》くの方《はう》へ行《い》つてたもんだから、おめえにやはあ惡《わる》く思《おも》はれべえたあ思《おも》つてたのよ」おつたは漸《やうや》くのことで然《しか》も表面《へうめん》は事《こと》もなげにいつて畢《しま》つた。
「俺《お》ら先刻《さつき》から見《み》てんだが道具《だうぐ》は能《よ》く大事《でえじ》にすつと見《み》えて鎌《かま》なんぞでも光《ひか》つてつことなあ、それに能《よ》くかう三日月姿《みかづきなり》に減《へ》らせたもんだな、研《と》ぎ方《かた》も餘《よ》つ程《ぽど》氣《き》をつけなくつちやかうは出來《でき》ねえな、道具《だうぐ》も斯《か》うすりや何時《いつ》までゝも使《つか》へて廉《やす》えものさな」おつたは少《すこ》し慌《あわ》てた樣《やう》に然《しか》も成《な》るべく落附《おちつ》かうと勉《つと》めつゝ噺《はなし》を外《そら》した。
「唐鍬《たうぐは》もたえしたも
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