よ》くまあかういに作《つく》つたつけな、俺《お》らもはあ、好《す》きは好《す》きだが自分《じぶん》ぢやそつちだこつちだで作《つく》れねえもんだ、此《こ》れまあ朝《あさ》つぱら凉《すゞ》しい内《うち》に見《み》たらどら程《ほど》えゝこつたかよ」おつたは濕《しめ》つた手拭《てぬぐひ》を幾《いく》つかに折《を》つて手《て》に攫《つか》んだ儘《まゝ》、栗《くり》の木《き》の側《そば》に置《お》いた洋傘《かうもり》を窄《つぼ》めてゆつくりと家《うち》へ這入《はひ》つた。おつぎは茶《ちや》を沸《わか》す火《ひ》の爲《ため》に汗《あせ》が更《さら》に湧《わ》いたのを手拭《てぬぐひ》でふいて、それから亂《みだ》れた髮《かみ》に櫛《くし》を入《いれ》て更《さら》に丁寧《ていねい》に手拭《てぬぐひ》を被《かぶ》つてさうしておつたを喚《よ》んだのであつた。おつたは何處《どこ》か落付《おちつ》かぬ容子《ようす》で洋傘《かうもり》も外《そと》の壁際《かべぎは》に立《た》て掛《かけ》て閾《しきゐ》を跨《また》いだ。
「お暑《あつ》うござんすねどうも」おつぎは襷《たすき》をとつて時儀《じぎ》を述《の》べながらおつた
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