の埃《ほこり》を洗《あら》ひ去《さ》つて居《ゐ》る。彼《かれ》はおつたの前《まへ》に其《そ》の暑相《あつさう》な身《み》を向《む》けた。
「どうしたつちこともねえがなよ、俺《お》らこつちの方《はう》通《とほ》つたもんだから一寸《ちよつくら》踏《ふ》ん掛《がゝ》つて見《み》た處《ところ》さ」おつたは何《なに》か理由《わけ》の有相《ありさう》な口吻《くちつき》で輕《かる》くいつた。
「俺《お》ら暫《しばら》くこつちへも來《き》なかつたつけが、此《こ》らおつぎぢやあんめえか、大層《たえそ》えゝ娘《むすめ》に成《な》つちやつたなあ、尤《もつと》もはあ恁《か》うい手合《てえ》はちつと見《み》ねえでちや分《わか》んなく成《な》んな直《すぐ》だかんな、其《そ》の割《わり》にしちや俺《お》ら見《み》てえなもな年齡《とし》はとんねえものさな」おつたは立《た》つた儘《まゝ》獨語《ひとりごと》の樣《やう》に、さうして少《すこ》し張合《はりあひ》のない樣《やう》に、何《なに》か噺《はなし》の端緒《いとぐち》でも求《もと》めたいといふ容子《ようす》で栗《くり》の木《き》の梢《こずゑ》からだらりと垂《たれ》てる南
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